バーベキュー後の片付けについて、
楽しんだ後はしっかり後片付けをして帰るのがマナーです。
しかし火の後始末や、網や鉄板の油汚れの片付けは慣れていないと大変。
誰でも面倒なものですから、段取り良く少しでも楽に行えるコツやポイント
を抑えておきたいところですね。
そこで今回は、特に面倒な炭やコンロ、網や鉄板などの片付けに関して、
具体的な片付け方法、そして片付けを楽にするコツや事前準備、時間を
有効に活用するためのポイント、これらについてご紹介します。
バーベキューの片付けで炭の後始末は?
バーベキューが終わった後の炭の後始末は、とても大切です。
火の不始末は重大なマナー違反ですから、責任をもって行ってください。
◎絶対にやってはいけないこと
・そのまま放置して帰る
・土を掘って埋めてしまう
・燃えた炭に直接水をかける
まずはやってはいけないことから確認しておきましょう。
そのまま放置して帰ったり、土を掘って埋めたりする行為は危険ですので、
絶対にしてはいけません。
火災の危険は言うに及ばず、それだけでなく他人が踏んでヤケドやケガを
負ってしまう危険もありますし、埋めても炭は分解されずにずっと残って
しまいます。
また燃焼している状態の炭に水を直接かけることも、絶対にやめましょう。
知らないとついやってしまいがちですが、灰や細かい炭の破片が飛び散り、
熱い水蒸気が一気に発生するので、大変危険な行為なのです。
◎炭の後片付けにおける重要なポイント3つ
1.《炭は表面上だけでなく、中まで完全に消火させること》
炭は芯まで火が通っているため、表面上は消えたように見えても内部ではまだ
火が燻ぶっていて、再発火する恐れがあることをよく覚えておきましょう。
万一帰りの車中などで発火したら、大変なことになってしまいます。
したがって「確実に芯まで消火すること」が炭の後片付け最大のポイントです。
そのための3つの方法を解説しますので、状況に応じて適切に処理して下さい。
○炭になって冷めるまで、完全に燃焼させる方法
この方法は一番手間がかからず、何の道具も必要としません。
やり方は、ただ炭をできるだけバラバラに広げて放置しておき、後は勝手に
消えるまで待っているだけでOKです。
ただし、かなり時間がかかりますので、時間に余裕がない場合は使えません。
キャンプなど時間が充分ある場合にはこの方法が簡単でいいですね。
残った灰は、ビニール袋などに入れて持ち帰ります。ゴミとして処分するか、
または家庭菜園などの肥料として利用することもできます。
○水で消火する方法
一番消火時間が短いので、手早く片付けたい場合にはこの方法で消火します。
まず充分に水を入れた鉄製バケツを用意しておきます。
プラスチック製のものは溶けて変形してしまう危険がありますので、必ず鉄製の
ものを使うようにしてください。
真っ赤に燃えている状態の炭をいきなり水に入れると爆ぜる危険があるので、
火がある程度弱まるのを待ってから、炭をバケツに入れて消火していきます。
水の温度が上がるとバケツの外側も熱くなるので注意してください。
表面上は一瞬で消えたように見えますが、炭の中まで完全に消火するには少し
時間がかかるので、安全をみて30分程度は水に漬けたままにしておきます。
消火できたら水滴が垂れないように持ち帰ります。水滴は臭いがキツいので、
車内などで漏れると臭いが染みついてしまいます。新聞紙などに包み、更に
何かの容器やビニールに入れたりなど、漏れないように注意しましょう。
○火消し壺などを使う方法
火消し壺などの道具があるなら、これが一番いい方法です。
火消し壺とは、炭の火を消すための専用品です。火の着いた炭をそのまま中に
投入して蓋をするだけで消火ができる優れものです。仕組みとしては、空気を
遮断して燃焼ができなくするもので、安全に消火を行うことができます。
持っていない場合、今後もバーベキューをする予定があるなら、それほど高価な
ものではないので、一つ購入しておくことをオススメします。
消火にそれほどの時間はかかりませんが、外側が熱くなるのでヤケドには注意が
必要です。冷めたら中に炭を入れたまま持ち運んでしまっておくことができます。
さらに消し炭は着火し易いので次回に再利用することもできます。
専用品でなくても、ある程度の大きさで厚みがある空き缶(贈答用のお菓子の
ものなど)でも代用できます。ただし、密閉度が高いものは温度が下がると
変形したり蓋が開かなくなったりするので、使わないようにしましょう。
2.《炭の処理は早めに始めること》
炭の後片付けにおける重要なポイントの2つ目は、「時間に余裕をもって行う」
ということです。
バーベキューの片付けは段取りが大切です。ゴミは複数のゴミ袋を用意して、
あらかじめ分別して捨てるようにしておいたり、使い終わったものはその都度
片付けしながら楽しむようにすると、スムーズに行うことができます。
特に炭は消火や器具の冷却に時間がかかるので、帰る時に始めるのでは完全に
遅く、余裕をもって行うことが重要なポイントです。皆がお腹いっぱいになって
火の必要が無くなったら、すぐに処理を始めましょう。
・灰になるまで燃焼させるなら2~3時間
・水で処理するなら30分~1時間
・火消し壺や空き缶なら1~2時間
それぞれの処理方法にはこの程度の時間がかかると考えておき、帰る時間から
逆算して処理を始めておくと、帰る頃には炭の処理が終わっていて、慌てること
なく余裕をもって撤収することができますよ。
3.《炭は持ち帰るのが基本》
炭を「持ち帰る」ことも大切なポイントです。
前述のとおり炭は土に還りませんので、埋めることは環境破壊にあたります。
また残してきた炭で火災が発生してしまったり、他人がケガをしたりすると
大変なことですし、その場所の存続問題にもなってしまうかもしれませんので、
持ち帰ることがマナーです。
炭捨て場が設置されているバーベキュー場ではこの限りではありませんが、
そうした場所に捨てる場合も必ず先に消火は行い、その他のルールを確認して
捨ててください。設置がない場合には、必ず持ち帰るようにしましょう。
持ち帰ったら消し炭として次回に再利用するか、ゴミとして処分します。
水で消火した炭でも、よく乾燥させれば再利用は可能です。
ゴミとして処分する場合は、「燃えるゴミ」の扱いになるところが多いですが、
自治体によってルールが異なりますので、必ずお住まいの地域のルールを守って
処分するようにしましょう。
バーベキューの片付けで網や鉄板の油汚れはどうする?
バーベキューが終わった後の網や鉄板には、食材のカスやタレや油が焦げて
こびりついた汚れがついていて、洗うのがけっこう大変ですよね。
網や鉄板を洗う時のポイントは、熱いうちにブラシやタワシなどでこすり洗い
することです。冷めてしまうととても落ちにくくなってしまいますので、必ず
熱いうちに汚れを落としてしまいましょう。
この時のコツがあります。それは炭の灰をつけてこすることです。
灰はアルカリ性なので酸性の汚れである油汚れを落とすのに効果的なのです。
捨てる灰の有効利用にもなるので一石二鳥です。
もし洗剤を使って洗いたい場合は、家に帰ってから洗います。合成洗剤は環境
破壊になりますので、現地では使わないようにしましょう。
ちなみに、よく熱いうちに鉄板に水をかける人を見かけますが、鉄は急激な
温度変化に弱いため、変形してしまう恐れがあるのでやめましょう。
○網のガンコな汚れを落とすコツ
網の汚れがなかなか落ちない場合、汚れを炭化させると簡単に落とせます。
方法は、汚れた網をそのまま空焚きし、しばらく放置して汚れが焦げて炭化する
まで待ちます。この際、アルミホイルで網全体を包んでおくと熱効率が上がり、
より短時間の10分程度で炭化させることができます。
大変熱くなりますので、火からあげたら冷めるまでしばらく置いておきます。
くれぐれもヤケドには注意しましょう。冷めたらタワシなどで簡単に落とす
ことができます。
バーベキューの片付けでコンロはどうやる?
コンロを洗う場合、現地では水を使わずに洗います。
垂れた油がたまっているような場合は、キッチンペーパーに油を吸わせます。
油汚れ自体は、炭の灰をかけてブラシなどでこすると落とすことができます
炭と同様に熱い状態のコンロに水をかけるのは厳禁です。急激な温度変化で
変形してしまうばかりでなく、熱い水蒸気が大量に発生して危険です。
○コンロの片付けを簡単にするコツ
バーベキューコンロの片付けは、炭を入れる前の準備の段階で「あること」を
しておくことによって、劇的に簡単にすることができます。
それは何かというと、汚れる部分をあらかじめアルミホイルで覆っておくことに
よって、汚れがつかないようにしておくということです。
まずアルミホイルを用意します。そしてコンロの炭をくべる部分を覆うように
敷いてください。3重ていどに重ねて敷くと、炭を動かしたりした時に破れる
ことが少ないでしょう。
こうしておけば、灰や落ちた油や食材もすべてホイルが受けてくれますので、
コンロ自体はほぼ汚れません。片付けはアルミホイルで炭ごと包んでしまえば
空気がある程度遮断されて火消しまでそのままできてしまいます。
ただし、火消し壺などの専用品とは違いますので、火消しについては完全には
できないものと思っておきましょう。放置しておけばある程度まで弱まります
ので、最終的な消火は水や火消し壺などを使って確実に行ってください。
まとめ
バーベキューを楽しんだ後は、責任を持ってしっかり片付けをしましょう。
来た時よりも綺麗にして帰るくらいの意識をもっておくのがマナーです。
・炭は中までしっかりと消火し、持ち帰る。
・網や鉄板は熱いうちに汚れを落とし、網のガンコな汚れは炭化させて落とす。
・コンロは始める前にアルミホイルで覆っておくと片づけが楽になる。
・残った灰は油汚れを落とす洗剤代わりとして使える。
今回の記事ではこんなことをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
せっかくの楽しいバーベキューですから、しっかりと後片付けして気持ちよく
締めくくれるようにしてくださいね(^^)
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