アサリを美味しく食べるためには、
調理や保存の前に「砂抜き」が必要です。
食べた時に口の中でジャリッと砂を噛む嫌な感覚、
せっかくの料理も台無しになってしまいますよね。
そんな嫌な思いをすることがないように、
潮干狩りでアサリを捕ってきた時はもちろん、
スーパーで買ってきた時も、しっかり砂抜きしましょう。
この記事では、
〇アサリの砂抜き方法の解説
〇失敗しないためのコツや注意点
〇塩抜きの意味とやり方
〇アサリを劇的に美味しくする超簡単な裏ワザ
〇砂抜き後の保存方法
これらについて、ご紹介します。
アサリの正しい砂抜き方法は?
アサリは鮮度が命ですから、潮干狩りや買い物で
手に入れたら、できるだけ早く下処理をして、
手早く調理や保存をすることが大切です。
まずは、砂抜きの正しい方法を覚えましょう。
〇 用意するもの
* 大きめのザル
* 網付きのバット等の容器
* 海水 又は 濃度3%の塩水(作り方は下記参照)
* 新聞紙
☆ 容器選びのポイントは、
網状のもので2重底になっているものです。
普通の容器の底にアサリをベタ置きにしてしまうと、
一度吐き出して底に溜まった砂をもう一度吸いこんで
しまうため、いつまで経っても砂が抜けません。
網の2重底なら、吐いた砂が網の下に落ちるので、
再度吸い込んでしまうことを予防できます。
例えば、上記の網付きのバットや、
食器水切り用のプラスチック容器と網容器のセットなど、
そういった物が適しています。
○ アサリの砂抜き手順
1.貝をザルに入れ、流水で洗う
まずはガチャガチャと大ざっぱに洗ってください。
貝殻の外側をキレイにするイメージでOKです。
ポイントは必ず流水で洗うこと。
容器に溜めた水で洗ってはいけません。
2.死んだ貝を選別して取り除く
ガチャガチャと貝を洗いながら、
同時に、死んだアサリの選別もしてしまいましょう。
死んでしまっている貝と一緒に砂抜きをしてしまうと、
水が汚れて他の元気な貝も死んでしまいますからね。
死んだ貝の簡単な見分け方は2つです。
・口が開いている 又は 開いてしまうもの
・他の貝と違う音がするもの
流水で洗うと元気なアサリはガッチリ口を閉じますが、
開いているのは可哀そうですが死んでいます。
また、ガチャガチャした時に他と違う音がするものは、
死んでいたり中身が砂であったりする可能性が高いです。
こういった貝があった場合は、取り除いてください。
3.容器の中に洗った貝を並べる。
アサリを並べる時のポイントは、
できるだけ貝が重ならないようにすることです。
重ねると上の貝が吐いた砂を下の貝が吸い込んでしまい、
しっかりと砂抜きができません。
また、あまり密集度が高いと酸欠で弱ってしまうので、
量が多くてどうしても密集してしまう場合などは、
複数の容器に分けて行ってください。
4.海水又は塩水を入れる。
潮干狩り会場から海水を持って帰ってきた場合は海水を、
持って帰っていない場合はご家庭で塩水を作って、
貝を並べた容器内に注いでください。
ポイントは3つです。
・水の温度
・水の量
・塩分濃度(塩水を作る場合)
砂抜きに適した水温は20℃前後です。
25℃以上だと温度が高過ぎて貝が弱ってしまいますし、
15℃以下だと冷たくて活性が下がり、砂を吐きません。
水の量も重要で、入れ過ぎてしまうと呼吸が出来ずに
アサリが死んでしまいますので注意してください。
貝の頭が少し出るくらいの量が適量です。
塩水を作る場合の塩分濃度の目安は海水と同程度の3%。
1リットルの水道水に対し30g(約大さじ2)の割合で
塩を加え、溶け残らないようによく溶かします。
水道水よりもミネラルウォーターやアルカリイオン水の方が
良さげに感じますが、これらではほとんど砂を吐きません。
必ず水道水で行って下さい。塩も何でもOKです。
一番よく砂を吐くのは、元々住んでいた場所の海水です。
今後もし潮干狩りに行く時には、空のペットボトルを持参して
海水を持ち帰るようにしましょう。
5.新聞紙などでフタをする。
アサリは普段砂に潜っているため、暗いところを好みます。
なので、暗くすると活性があがって砂もよく吐き出します。
というか、明るいとほぼ吐きません。
ですので、フタをして暗くしてあげましょう。
ポイントは、新聞紙などを使い、密閉しないようにすること。
ラップなどで密閉してしまうと酸欠で死んでしまいます。
また、このフタをすることで、暗くするだけでなく
吐いた砂水で周囲が水浸しになるのも防ぐことができます。
6.しばらく放置する。
ポイントは2つです。
・放置場所の気温
・放置する時間
放置場所は、よく冷蔵庫に入れるという人がいますが、
冷蔵庫では水温が下がり過ぎてあまり砂を吐きません。
冷蔵庫や炎天下などの寒過ぎ・暑過ぎはNGなんです。
放置中の水温変化がなるべく少なくなるように、
冷暗所や風呂場、室内などで行うようにしてください。
放置時間については、海水と塩水とで違います。
海水であれば3時間程度で充分砂が抜けます。
水道水から作った塩水であれば5~8時間程度です。
やみくもに長くやれば良く砂が抜けるものではなく、
むしろ長過ぎると水が汚れて貝が弱ってしまいますので、
上記の時間を目安に水から出してあげてください。
7.水から出し、ザルに入れて流水で洗う。
吐いた砂がヌメリと共に貝殻にけっこう付いています。
ザルに入れて流水でガチャガチャ洗ってそれらの汚れを
洗い流してください。
最初と同様に、この時も流水で洗うのがポイントです。
溜めた水ではやらないでくださいね。
以上でアサリの砂抜きの手順は完了です。
これで口の中でジャリッとすることはもうありません。
・・・でも、ちょっと待ってください。
アサリを美味しく食べるためには、もう一つ大切なことが
あるんです。
それは「塩抜き」です。
やり方は次章で紹介します。
アサリの砂抜き後には塩抜きも忘れずに!
〇「塩抜き」ってナニ??
そもそも塩抜きって何なのかご存知ですか?
砂抜きに関しては一般的にもよく知られていますが、
塩抜きは聞いたことがないという方が多いです。
「塩抜き」とは、文字通り塩を抜く処理のことです。
砂抜き後のアサリの体内には海水や塩水が残っていて、
そのまま調理するととても塩辛いんです。
塩を抜くといっても特に難しいことをするわけではなく、
砂抜きと同様に、アサリに吐き出させるだけです。
作業的にはいたって簡単ですし、
砂抜きが終わったら、そのまま続けてできますので、
忘れずに行って下さいね。
○ アサリの塩抜き手順
砂抜きが終わった後、
そのままの流れで続けて行ってください。
まず砂抜きをした容器内の海水・塩水を捨て、
水がない状態にして、砂抜きと同様に貝を並べます。
次に、先ほど砂抜きで使った新聞紙でフタをして、
そのまま室温で1時間程度放置してください。
最後にもう一度流水でガチャガチャ洗えば、
塩抜きは完了です。
たったこれだけですので、
コツやポイントといったことは特にないですし、
特別注意することも何もありません。
☆ アサリを劇的に美味しくする超簡単な裏ワザ
塩抜きまで完了したらもう下処理は完了ですが、
この後に簡単な一手間でアサリを劇的に美味しくする
裏ワザがあるんです。
その方法はというと、
塩抜き後、水からあげた状態でさらに2~3時間程度
室温で放置する・・・たったこれだけです!
なぜ放置するだけでアサリが美味しくなるのか?
ちょっと聞いただけでは信じられないかもしれませんが、
そこにはちゃんと理由があるんです。
それは、水からあげた状態で放置すると、
アサリが酸欠状態になって強いストレスを受けることになり、
体内でコハク酸という旨味成分が増加するからなんです。
ちょっと可哀そうですが、いずれにしろ食べるわけですし、
必要なのは時間だけですから、ぜひ試してみて下さい。
ビックリするほど美味しくなりますよ。
アサリの砂抜き後の保存方法は?
アサリは痛みやすく、死んでしまうと臭いを発しますので、
保存方法もキッチリ覚えておきましょう。
○ 冷蔵庫での保存方法
まず、新聞紙やキッチンペーパーに水を含ませて湿らせます。
ビチャビチャに濡らす必要はなく、霧吹きやスプレーを使って
湿らせる程度がベストです。
その濡らした新聞紙などでアサリを包み、
タッパーなどの容器に入れて冷蔵庫に入れます。
この時、密閉すると窒息して死んでしまうので、
容器にフタやラップはしないようにします。
もし冷蔵庫に野菜室があれば、そちらがベターです。
冷蔵温度が若干高めなので、海水との温度差が少ないため、
アサリの保存に適しています。
たまに様子を見て、乾きそうになったら水分を足してください。
活きがいいアサリであれば、3日程度は美味しく食べられます。
☆ 冷蔵保存したアサリを食べる場合、
冷蔵庫で死んでしまった貝がいる場合がありますので、
調理をする前に念のため臭いを確認してください。
死んだアサリは死んですぐなら食べられますが、
臭いを発しているものは食べられませんので注意が必要です。
どんなに新鮮なものでも、やはり冷蔵庫では3日が限度です。
それ以上保存したい場合は冷凍保存しましょう。
ただし、冷凍保存は、解凍方法も含めてコツが必要です。
説明が長くなるので、コチラの記事をご参照ください。
↓ ↓ ↓
アサリは冷凍保存して大丈夫?方法は?旨味を閉じ込める裏ワザとは?
冷凍アサリの解凍方法は?口が開かないのは食べられる?
まとめ
アサリの砂抜きや塩抜きなどの方法を説明しましたが、
バッチリ覚えましたか?
文章で書いてみたら思ったより長くなってしまいましたが、
実際やってみれば特別に難しいことはないことが分かります。
特に重要なのは、
アサリを弱らせないようになるべく早く処理すること
そして温度管理に気をつかうことです。
しっかり砂抜きと塩抜きをして、裏ワザを使って旨味成分を
増加させ、美味しくアサリを召し上がってくださいね(^^)
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